レモングラスとは

インドが原産地のイネ科の植物です。西インドレモングラスと東インドレモングラスなどの種類があります。(北インドレモングラスもあるようですが、割愛します。)
どちらも葉っぱがとても長いですが、特に東インドレモングラスは長く、1.5m~3mになるものもあるのだとか!
西インドレモングラスはハーブとしてハーブティーや料理に使われています。エスニック料理に多く使われいるイメージが強いですね。爽やかなレモンの香りに少し青みがかった香りや土っぽい自然の香りもあって独特な香りです。
東インドレモングラスは主に精油としてアロマに使われているみたいです。レモンの香り成分のシトラールが多く入っているためレモンのような香りが強く、土の香りの成分のミルセンが入っていませんので土っぽい香りがないです。
レモングラスは葉っぱから精油を抽出しますが、香りの分類は柑橘系になってます。ほかにも、主成分のシトラールは虫が嫌いな香りのようで、虫よけにもよく使用されます。
レモングラスの香り成分
シトラール

アルデヒドに分類されます。アルデヒドは揮発しやすく、香りが広がりやすいのでトップノートに分類されます。しかし酸化しやすいので香りが変わってしまいやすいです。
シトラールはレモンの香りです。実はレモンよりレモングラスの方がシトラールが多く入っています。
シトロネラール

シトロネラールもアルデヒドに分類されます。構造が類似していて、こちらもレモンのような香りで特徴などもシトラールとほとんど同じです。
ちなみに、レモングラスの成分でシトロネロールというのありますが、これとはまた別の成分です。
ミルセン

揮発性が高いモノテルペンに分類されます。少し感じる土のような香りはミルセンの香りです。グレープフルーツやホップにも含まれています。
酢酸リナリル

-COO-のエステル結合があるエステル類です。エステル類は果実のような甘い香りです。酢酸リナリルはベルガモットの主な成分で、ベルガモットの香りです。
酢酸ゲラニル

エステル類の分類です。フローラルな香りに加えて甘いフルーツの香りや若干のシトラスの香りがあります。ゼラニウムやバラに多く含まれており、レモングラスにも少量含まれています。
レモングラスの種類と配合

西インドレモングラス
- シトラール
- ミルセン
- ゲラニオール
ゲラニオールは酢酸ゲラニルと似ており、フローラルな香りです。大きく異なるのはやはりミルセンの存在だと思います。ゲラニオールも控えめなので、あっさりしたハーブ感のある独特なレモンの香りです。
東インドレモングラス
- シトラール
- ゲラニオール
- 酢酸ゲラニル
- カリオフィレン
カリオフィレンはウッディ調の香りでほんの少量入っています。シトラールが多く含まれているので、レモンの香りが強いです。シトラールだけで7割ほど入っています。次いでゲラニオールや酢酸ゲラニルも多いので、こちらの方が香り自体が強いです。
レモングラスが炎症や脂質代謝に影響する⁉

レモングラスについてはこのような研究がされていました。
プロスタグランジン産生に重要な酵素である COX-2 や生活習慣病の分子標的である PPAR を指標としてレモングラス精油の評価を行い、レモングラス油主成分のシトラールがCOX-2を抑制し、PPARを活性化することを同定した。
香りによっての効果はわかりませんが、ハーブティーや料理などで食事することで、香りづけ以外にも様々な恩恵がありそうです。
靴の水虫菌(真菌)撃退できる!?

インドでは昔から伝統医学であるアーユルヴェーダで、感染症を予防する効果があるとして長い間使用されていました。そんなレモングラスの精油がテレビで取り上げられていたことがあるみたいです。
帝京大学医真菌研究センター教授安部茂さんによると、靴の中に残った水虫菌は、レモングラスの精油をティッシュに1滴たらし丸めたものを靴の中ほどに入れて、一晩おいておくと撃退することができるとのこと。
水虫などの菌に対しての影響は様々な研究がされています。
上記の論文は一例ですが、アロマオイルの水虫菌への影響が示唆されるような研究結果がいくつも出ているようです。
- アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
- Anti-Candida albicans Activity of Essential Oils Including Lemongrass (Cymbopogon citratus) Oil and its Component, Citral
- COX-2およびPPARを指標としたハーブの機能性評価 勝川路子 奈良女子大学・生活環境学部・教授
- シトラールの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
- レモングラス(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)