おシロマ~Oshiro's Aroma~
香りのある暮らし、はじめませんか? 薬剤師おシロのアロマ&ハーブBlog
アロマテラピー検定に出てくる精油

ローズマリー【ローズ・オブ・マリア】アロマオイルの基礎知識

ドーナツくん
ドーナツくん
♪パセリ、セージ、ローズマリー&ターイム
おシロ
おシロ
スカボローフェアの歌だね!そう、そのローズマリーだよ!お料理にもよく使っているし、香りもけっこう好きなんだ!
同じローズマリーでも、成分配合が異なるケモタイプがいくつか存在するよ

ローズマリーとは

原料植物名 ローズマリー
別名 マンネンロウ
科名 シソ科
学名 Rosmarinus officinalis
主な産地 スペイン、チュニジア、フランス、モロッコ
主な抽出部位
精油抽出法 水蒸気蒸留法
ノート トップノート~ミドルノート

 

ラテン語で「海のしずく」という意味のローズマリー。お花がきれいな青い色をしているためそのような名前が付いたそうです。また、ローズ・オブ・マリア(マリアのバラ)とも呼ばれており、聖母マリア様に関連した有名な逸話があります。

香りは青々としていてフレッシュで、スーッとした清涼感があり、ほんの少し防虫剤のような癖のある薬草のようなの香りが入っているような印象です。

おシロ
おシロ
ハーブには様々な逸話があるよ!逸話についてはまたの機会にお話しします!

ケモタイプ

同じ種類の植物(学名が同じ)なのに、育った環境(土地や気候、標高など)が異なることで、精油の成分構成が大きく変わってしまうことがあります。それをケモタイプと呼びます。ローズマリーのほかにもタイムなどもケモタイプの精油です。

ちなみに、種が異なるもの同士ではケモタイプとは呼びません。例えばラベンダーなどは様々な種類がありますが、学名が異なるのでケモタイプではありません

ローズマリーのケモタイプは大きく分けて3種類あります。

  1. ローズマリー・カンファー
  2. ローズマリー・シネオール
  3. ローズマリー・ベルベノン

これらの違いは成分の配合バランスです。次の項で成分についてみてみましょう。

ローズマリーの香り成分

α-ピネン

モノテルペンに分類されます。様々な樹木に含まれている樹の香りの成分。森の香りのイメージです。薬草のような香り、防虫剤のような香りとも表現されます。

1,8-シネオール

環状構造にエーテル結合があるオキサイド類です。ユーカリに多く入っている成分で、スーッとした爽やかで爽快感のある香り

カンフェン

カンフェンもモノテルペンに分類されます。薬草のような香り、防虫剤のような香りとも表現されます。

カンファー

R-C=O-R´で作られているケトン体です。クスノキの独特の香りはこのカンファーという成分です。薬草のような香り、防虫剤のような香りと表現されます。

ベルベノン

二環性のケトンでテルペノイドに分類されます。青々とした爽やかなハーブの香りです。

ドーナツくん
ドーナツくん
なんだか形が似ている構造の成分が多い気がする…香りも同じこと書いてあるし手抜きか⁉
おシロ
おシロ
よく気が付いたね!今回で言うとカンファー(樟脳)はαピネン→カンフェン→酢酸ボルニル→ボルネオール→カンファーと構造を変化させて作られているよ。元をたどると同じ成分だったりするんだ。だから香りも似ているんだよ。
ドーナツくん
ドーナツくん
なんだ、手抜きじゃないのか。

ケモタイプの成分比の違い

多少の成分の違いはありますが、ざっくりいうと名前についている成分が多いです。ちなみにα-ピネンと1,8-シネオールが多く配合されていることはどのケモタイプでも大きな違いはありません。

ローズマリー・カンファー

カンファーが多く含まれているので、他のものよりも樹の香り、薬草のような香りが強くなっています。α-ピネンと1,8-シネオールと同じ量が入っており、この3種類だけで成分の6割を占めます。

ローズマリー・シネオール

1,8-シネオールが多く含まれているのでスーッとした爽やかで爽快感のある香りがほかのものに比べて強いです。1,8-シネオールだけで4割ほど入っており、次いでα-ピネン、カンファーが多く配合されています。

ローズマリー・ベルベノン

ベルベノンがほかのものよりも多く含まれているので青々としたハーブの香りが強いケモタイプです。α-ピネンの量が多く、1,8-シネオールの量がほかのものより少なめです。ベルベノンの配合量は全体としては少なめで1割前後ですが、他のケモタイプにはほとんど含まれていません。

※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。

ローズマリー由来の成分が脳を守る!?

ローズマリーについて、このような研究についての記事がありました。

古くから欧州では、カルノシン酸などの各種テルペノイドを高濃度で含むローズマリーの葉などが食用や薬用に広く用いられてきたが、本研究によって、ハーブ・ローズマリー由来のカルノシン酸が、アルツハイマー病の予防治療などに応用できる可能性が示された。

引用:ローズマリー由来の物質がアルツハイマー病を抑制

この研究では食用や薬用とあるので、アロマなどの芳香浴での効果については研究されていないですが、気が向いたときにハーブとしてお料理にひと手間加えてみるのはいかがでしょうか。

おシロ
おシロ
お肉の臭み消し+香りづけにいかがでしょうか!タイムやローリエと一緒にブーケガルニにして一緒に煮込むだけ!

古代ギリシャでは記憶や思い出の象徴として

ローズマリーの花言葉には「記憶」という意味もあるそうです。古代ギリシャではそんなローズマリーの花の冠をかぶって勉強していたそう。記憶力を高めて勉強の効率を高めるためにそのようなことをしていたみたいですね。また、古代ギリシャの「医学の父」ヒポクラテスはローズマリーを使った治療などについても著書に記されているのだとか。

ドーナツくん
ドーナツくん
ローズマリーを頭に振りかけたらボクも頭がよくなるかな⁉
おシロ
おシロ
(ローズマリーの味のドーナッツはあんまりおいしそうじゃないなぁ…)

 

ABOUT ME
おシロ
シロクマと香りと料理が大好きな薬剤師。 香りに興味がある方、アロマを始めてみたい方が次にどうすればいいか分かるブログを目指して、日々精進しています。 ・認定薬剤師・薬膳コーディネーター