ミントとは

原料植物名 | ペパーミント |
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別名 | セイヨウハッカ |
科名 | シソ科 |
学名 | Mentha xpiperita |
主な産地 | アメリカ、インド、中国 |
主な抽出部位 | 葉 |
精油抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | トップノート |
ガムやチョコミント、お料理やお酒によく使われるミント。大きくペパーミントとスペアミントの2種類に分けられます。
アロマテラピー検定で出題されるのはペパーミントです。
ペパーミント
学名「Piperita」は「コショウのような」という意味。ペパーミントはスペアミントとウォーターミントの交配種です。メントールという成分が多く含まれており、強めのすっきりした清涼感のある香りがあります。ペパー(コショウ)と名前につくだけあってピリッとした香りで、食べ物の香りづけに多く使われています。
スペアミント
メントールの量がペパーミントよりも少ないです。メントールの代わりにカルボンが主成分で、すっきり感が強すぎず、爽やかな印象で少し甘みがある香りです。サラダに使われたりとそのまま食べることもできます。
ミントの香り成分
メントール

モノテルペンアルコールという分類です。C(炭素)が10個の鎖状炭素の骨格に‐OHがくっついています。メントールはスーッとした清涼感のある香りです。かなり強い香りなので少量でも十分存在感があります。
メントン

モノテルペンに分類されるケトン体(R-C=O-R’)です。メントールにそっくりな形をしていて、メントールに似たすっきりとした香りがします。
カルボン

カルボンもモノテルペンに分類されるケトン(R-C=O-R’)です。甘いけど、すっきり爽やかな香りでスペアミントに多く含まれています。
他にもリモネンや1,8-シネオールが含まれています。この2つは別の記事に説明がありますのでよろしければご覧ください。
ミントの種類と配合成分

ペパーミント
- メントール
- メントン
などの成分が配合されています。清涼感のある香りで、かなり香りが強いので使う量には注意が必要そうです。
スペアミント
- カルボン
- リモネン
などが成分として含まれています。カルボンが入っているため、甘く爽やかで、それでいてすっきりする香りです。
※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。
ペパーミントを使用するうえで注意すること

ペパーミントには皮膚刺激があります。直接精油の原液が皮膚につかないように注意しましょう。
肌に使用する際は使用量に注意し、低濃度で使用しましょう。また、妊婦、授乳婦、乳幼児の使用は避けてください。
頭痛とペパーミントの関係性?
ペパーミントの香りを定期的に嗅ぐと頭痛が緩和されるという話もよく聞きます。もともとミントは18世紀ごろまで消化促進や頭痛のケアに使われていました。
頭痛ケアについてはこんな論文がありました。緊張型頭痛において、ペパーミントとアセトアミノフェン(カロナール)との対症試験を行ったとき、有効性に変化はなかったとの論文でした。
緊張型頭痛に対する局所適用ペパーミントオイル製剤の効果を、ランダム化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験の設計において初めて検討した。(中略)10 % ペパーミント オイルのエタノール溶液が緊張型頭痛を効果的に緩和することが初めて示されました。
引用:Göbel、H.、Fresenius、J.、Heinze、A . 他。スパヌングスタイプの治療法における発煙ハッカの効果とパラセタモールの効果。 ネルヴェナルツト 67、672–681 (1996)。https://doi.org/10.1007/s001150050040
処方薬では湿布の効果を高める理由で配合されている。
ほかにもモノテルペン類は皮膚の角層のバリア機能を低下させて、経皮吸収促進させる効果があります。要するに薬が効きやすく、効果も強くなります。処方でしかもらえない強い効果のある湿布薬には経皮吸収促進剤としてハッカ油をたくさん加えているものもあります。しかし、その分かぶれやすいので注意が必要です。
ミントの繁殖力には注意

ハーブは虫よけになるし、料理にも使えるしということでお庭に植えてみよう!と思う人もいます。しかし、ミントは繁殖スピードが恐ろしく早く、ほかの植物を育たないようにしてしまう効果もあり、一面ミントになってしまいます。根っこも長いので、抜いても生えてくるといった状態になり手が付けられなくなるらしいです。ミントの栽培はコンテナなど限られた範囲で、なおかつ管理をしっかりしないといけないようです。
参考文献
アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
Göbel、H.、Fresenius、J.、Heinze、A . 他。スパヌングスタイプの治療法における発煙ハッカの効果とパラセタモールの効果。 ネルヴェナルツト 67、672–681 (1996)。https://doi.org/10.1007/s001150050040
スペアミント(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)
ペパーミント (THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)