ラベンダーとは

原料植物名 | 真正ラベンダー |
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別名 | トゥルーラベンダー |
科名 | シソ科 |
学名 | Lavandula angustifolia(Lavandula officinalis) |
主な産地 | フランス、ブルガリア |
主な抽出部位 | 花 |
精油の抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドルノート |
フローラルの香り!でよくトイレの芳香剤などに登場するラベンダーはシソ科のお花です。ハーブとしてアロマや料理にも使われています!
学名の「Lavandula」はラテン語の「Lavo(洗う)」や「Lividus(青みがかかった鉛色)」に由来するといわれているようで、紫色のイメージが強いです。でも、なかには白いラベンダーっていうのもあるみたい!
また、同じラベンダーでもいくつかの品種に分かれていて、香りの成分やその量が異なっています。
ちなみにアロマテラピー検定で出題されるのは真正ラベンダーです。
ラベンダーの香り成分
リナロール

モノテルペンアルコールという分類です。C(炭素)が10個の鎖状炭素の骨格に‐OHがくっついています。スズランのような香りと言われていて、フローラルな香りはこのリナロールが入っているからです。
(余談ですが実は芋焼酎にも別のモノテルペンアルコール類が入っています。)
酢酸リナリル

-COO-のエステル結合があるエステル類です。エステル類は果実のような甘い香りです。リナロールのフローラルな香りに甘い香りがブレンドされたような香りです。
カンファー(カンフル)

R-C=O-R´で作られているケトン体です。クスノキの独特の香りはこのカンファーという成分です。ツーンとするような薬草やハーブの香りです。
1,8-シネオール

環状構造にエーテル結合があるオキサイド類です。ユーカリに多く入っている成分で、スーッとした爽やかな香り。
ラベンダーの種類

ラベンダーにはいくつかの種類があります。その中でも良く見かける3つの種類を挙げてみました!
真正ラベンダー
一番ポピュラーで、一般的に想像するラベンダーはこの真正ラベンダーをさします。
- リナロール
- 酢酸リナリル(エステル類)
が多く配合されています。そのためフローラルで甘い香りをもっています。
スパイクラベンダー
成分としてはリナロールと酢酸リナリルに加えてカンファーが多く入っています。
- リナロール
- 酢酸リナリル(エステル類)
- カンファー
が成分として入っています。真正ラベンダーよりも酢酸リナリルが少ないため甘みが少なく、カンファーが多く入っているのですっきりした印象の香りになります。リフレッシュのイメージです。
ラバンジン
真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交配種です。
- リナロール
- 酢酸リナリル(エステル類)
- カンファー
- 1,8-シネオール
が配合されています。真正ラベンダーにカンファーと1,8-シネオールが少し加わっています。真正ラベンダーに爽快感のあるスーッとした香りとハーブのような刺激感が加わったような香りとなっています。
※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。
成分同士が効果を向上させる⁉
今回登場している酢酸リナリル。一緒に入っているリナロールととても相性がいいようで、お互いの効果を高めているらしいのです!
酢酸リナリルにも抗菌作用がありますが、単体ではあまり抗菌作用が発揮されないとのこと。しかし、リナロールと一緒に混ぜることでお互いの抗菌活性を向上させる可能性が示唆されたという論文がありました。
酢酸リナリル単独では抗菌活性をほとんど示さないが,リナロールと混合される
ことによって,その抗菌活性を向上させる可能性が示唆された.
嫌いな香りだと気持ち悪くなってしまうことも

ラベンダーの香りが苦手だと感じる人も一定数います。
本来、落ち着くために使用するはずのラベンダーの香りですが、この香りが嫌いな人が嗅ぐと、興奮状態や落ち着かない、吐き気が出るといった症状が出ることもあるそうです。
また、香りに慣れていなかったりすると、体が危険と判断して嫌なイメージを持つこともあるみたい。
一説では、いまの体にそのリラックス成分は必要ないと判断してくれているといった考え方もあるみたいです。
参考文献
アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
香りの抗菌活性の評価方法の改変と香り分子の組合せによる抗菌活性の向上 上村 繁樹, 山口 菜摘, 大久保 努, 吉井 文子
ラベンダー花エキスの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
リナロールの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
ラベンダー(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)