「部屋干しのにおいが気になる。」「何度洗濯しても洗濯物の生乾きのにおいが消えない。」「柔軟剤の香りがうまくつかない。」
生乾きの嫌なにおい、特に梅雨の時期の部屋干しのにおいは誰もが一度は気になったことがあると思います。
実はこのにおい、柔軟剤の香りでもごまかしきれず、ただ洗濯して干すだけでは解決しないことが多いです!
今日は薬剤師の私が実践している部屋干しのにおい対策をお伝えします!
- 部屋干し臭の原因
- 梅雨の時期におすすめの洗濯洗剤・柔軟剤
- 洗濯物は乾くスピードが命、乾かし方豆知識7選
- 洗濯物の香りづけのタイミング
今日で部屋干しの嫌なにおいとはおさらば。
梅雨でもいい香りの服で気持ちも晴れやかにお出かけしましょう!
部屋干しのにおいの原因

部屋干しのにおいの原因として、カビ臭や雑菌、特にモラクセラ菌がにおいの原因になることがあるというのは、家庭用品の研究や生活科学の分野でも指摘されています。
どうしてこれらのにおいが服についてしまうか説明します。
1.意外と汚れがたくさん!【洗濯槽の裏の汚れ】
洗濯後の衣類に感じる嫌なにおいのひとつに、「カビ臭」と呼ばれるにおいがあります。
これは、洗濯槽の内部に潜む見えにくい汚れやカビが関係してくると考えられています。
洗濯後、洗濯槽には目に見えない水分や洗剤残り、皮脂などの汚れが少し残っていることがあります。
特に洗濯槽の裏側は目には見えにくいですが、湿気が高く、手も届きにくいので汚れが蓄積しやすく、カビがとても生えやすい条件がそろいやすくなっているんです!

定期的に掃除をしないと、洗濯物ににおい移りしてしまうかも…
2.雨や梅雨の時期は湿気に注意!【乾燥不足】

外で干した時には数時間で洗濯物が乾きますよね。
外は風通しがよく、お日様の光の熱で洗濯物が速く乾きます。
しかし、部屋干しでは風もお日様もないので、乾くのに時間がかかります。
においの元であるモラクセラ菌は湿気が大好きで、湿気があるところはこの菌がたくさん増えやすい環境になっています。
要するに乾く時間が遅いほど、においの元が増えてにおいがするようになる、ということです。
だいたい温度20~40度、湿度60%以上で増えていき、普通の洗濯ではにおいの元は取り切ることがむずかしいみたいです。
3.洗剤でにおいの元を取り切れていない【菌が残ってしまう】
モラクセラ菌は洗剤で洗うだけでは取り切ることは難しいみたいです。見た目の汚れは落ちていても、原因が残っていては、またにおいが発生する可能性につながります。
また、多少でも汚れ(皮脂やタンパク質)が残ってしまっていると、そこから湿気も相まって雑菌が増えていく可能性も…
こうなってしまっては、普通の洗濯だけではにおいをとり切るのは難しいみたい。
酸素系漂白剤を使ったり、熱湯で処理が洗濯物のにおい対策として挙げられます。

部屋干しのにおいどうすればいいの?
洗濯槽の掃除
洗濯槽の汚れをしっかり落とすには、酸素系漂白剤がおすすめです。
私が使っているのは、オキシ漬けで有名な『オキシクリーン』。
主成分である過炭酸ナトリウムが、洗濯槽のカビや皮脂汚れを浮かせてくれます。
使い方は縦型洗濯機とドラム式洗濯機で異なります。公式サイトに使い方が乗っていたのでご紹介します。👇
👉OXI CLEAN 汚れ別オキシクリーンの使い方 洗濯槽
私は掃除の頻度は1~2ヶ月に1度行っています。
干し方で差がつく
脱水後、30分以内に干す
濡れている状態で洗濯物を放置してしまうと、においの元がまた発生して増えてしまう恐れがあります。
なるべく早めに、できれば30分以内には干し始めるのが無難です。
サーキュレーター(or扇風機)+除湿器が最強
ひとつ前の章では、においの原因の一つとして、”湿気によって乾くスピード遅くなっている事”が関係しているのがわかりました。要するに風がしっかりと当たって湿気の無い状態を作ればよいということ。

風を作りつつ、湿気をガッツリ吸う。
サーキュレーター(扇風機でもOK)+除湿器のコンビで洗濯物が乾くのに最適の環境を作り出します。
カーテンレールにかけるのは避ける
窓際は空気が通りにくく、窓の水滴やカーテンの汚れが洗濯物についてしまう可能性があります。
窓の水滴→湿度が上がってしまい、空気の流れが悪いので乾きにくく、生乾きになりやすい。また、ほこりなどカーテンの汚れがついてしまうとにおいの元の原因になる可能性が!
耐久性も考えてカーテンレールには干さないのが無難。
浴室乾燥を使う場合はお風呂が乾いている状態で
浴室が濡れたまま洗濯物を干して浴室乾燥をすると、湿度100%でにおいの元が大量に繁殖しやすい環境下で干していることに!
お風呂のお湯を抜いて、浴室が乾いている状態で浴室乾燥を使ってください。
また、浴室乾燥機自体の汚れもにおいにつながりやすいので注意が必要です。
その他”干し方豆知識”については👇
ドラッグストアよりもネット購入の方が安いことが多いので、見比べて買ってください!
服ににおいがついてしまった場合
アイロンがけをする
においのもとは熱に弱いらしいとのこと。おおよそ60度以上のお湯につけておくとにおいの元を取ることが期待できます。
なので、高い熱でのアイロンがけをするのも同じく、においの元を減らすことにつながります。
熱に弱い素材の洋服もあるので、洋服に合った方法でご使用ください。
”お湯+重曹のつけ置き”で洗浄補助・におい対策のサポート
前項でもお伝えした通り、熱を与えることでにおいの元を取ることが期待できます。
40°~60°のお湯で20分ほどつけ置きするのがGood!

また、重曹(炭酸水素ナトリウム)を加えることで、お湯が弱アルカリ性に偏り、皮脂汚れなどの酸性の汚れを落とす補助的な役割を担ってくれることが期待できます。
ただし、重曹はウールやシルクなど適さない素材もあります。金属パーツなどは腐食が進む可能性があるので注意してください⚠️
酸素系漂白剤を使う
先ほど紹介した酸素系漂白剤のオキシクリーン。
タオルのにおいや洋服の汚れにも使用することができます。
使い方は簡単。
4Lに対してオキシクリーンをキャップ1杯入れて、20分つけおきするだけ。
また、色落ちしにくい(色落ちしないわけではないので注意!)ので、様々なシーンで活用できます。
使い方は公式サイトをCheck👇
👉OXI CLEAN 汚れ別オキシクリーンの使い方 衣類の汗・皮脂汚れ
👉OXI CLEAN 汚れ別オキシクリーンの使い方 タオルの汚れ・におい
お酢を使う
部屋干しの臭いを防ぐのに、お酢を使う方法があります。選択のすすぎのタイミングでお酢を少量(大さじ1~2)入れることで、生乾きのにおいを軽減することも。また、お酢には柔軟剤としての効果も期待でき、洗濯物がふんわり仕上がることもあるみたい!
注意としてはリンゴ酢や黒酢などではなく、穀物酢を使用すること。
どの家庭にも置いてありそうなものを使う方法なので、ピックアップしました。
部屋干しのメリット
あまり良い印象のない部屋干しですが、もちろんメリットもあります。ここでは、部屋干しのメリットをご紹介します。

花粉やほこりなどにさらされない
花粉は春先だけではありません。スギ花粉のほかにもイネ科の花粉やブタクサ、ヨモギなど夏や秋にも花粉は飛んでいます。
また、外には砂やほこり、虫なども飛んでいます。
室内で干すことによって、それらにさらされることなく干すことができるので、花粉症やアレルギーなどを持っている方にはおすすめの干し方です。
紫外線の影響がないので色褪せにくい
お日様にあたる窓際では本や家具が少し色褪せやすいと思ったことはありませんか?
それは、紫外線によって染料の色素(色を作り出している構造)が壊れてしまいやすいことが原因とされています。
外で洋服がお日様にあたることで、紫外線を浴び、色素が壊れて色褪せしやすくなってしまう可能性が…
このことから、天日干しよりも部屋干しの方が色褪せするまでの時間が長くなると考えられます。
防犯対策に
空き巣の防止や一人暮らしを悟らせないようにするための防犯対策として、部屋干しはおすすめです。
洗濯物の干し方|超実用的豆知識7選
① 【”厚手”と”薄手”を交互に干す】
厚手→薄手→厚手の順に並べると、空気が通って全体が早く乾く!
タオル→ハンカチ→タオル みたいな配置が◎
② 【角ハンガーを使ったアーチ干しは速乾の基本】
“アーチ干し”とは洗濯物を干すときに外側にタオルなど長いものを、内側に靴下など短いものを干す方法です。
両端の長い洗濯物に風が当たりやすく、真ん中に空間があるため風の通りもよくなり、乾きやすくなります。
③ 【服の裾を開く】
Tシャツの裾を洗濯ばさみで少し下に引っ張ってとめる
空間ができて生地が密着しない →乾きが段違い!
ハンガーにかけただけでは、裾同士がくっついてしまう→空気が通りにくく、乾きにくくなってしまいます。
④ 【干すときはなるべく広い空間に】
干す場所も重要なファクター。
狭い空間だと湿気が充満しやすく、空気の流れも滞って乾きにくくなってしまう。
広い空間の方が湿気が充満しにくく、空気を遮るものが少ないため、空気の流れがよく、乾きやすい!
なるべく広いところに干しましょう。また、大量に干しすぎないのも気を付けるポイント!
⑤ 【靴下は“つま先を下”に】
靴下は構造上つま先に水が溜まりやすい。水が溜まっているところに風を当てた方が速く乾く!
逆につま先を上にしてしまうと、水分が下にゆっくり落ちてなかなか乾かない。→乾きにムラができてしまうので×。
⑥ 【風の通り道を作る”こぶし1個分”ルール】
洗濯物と洗濯物の間はこぶし1個分の間隔をあける。これが空気の通り道になって風が通って乾きが格段に早くなる!
洗濯物通しくっついているとなかなか乾かないのは風通しが悪くなるから。
⑦ 【逆さ干しでシワ防止】
シャツやズボンは、肩・ウエストではなく裾を洗濯ばさみで吊るすと重みで自然に伸びる。重い方を下にすることで早く乾く。
シャツの裾に洗濯ばさみを付けて重くするのも◎
①”厚手”と”薄手”交互に干す
②角ハンガーを使った”アーチ干し”
③服の裾を開く
④広い空間で干す
⑤靴下はつま先を下にする
⑥こぶし1個分ルール
⑦逆さ干し
香りをプラスするタイミング
柔軟剤は最後のすすぎの前に入れる
柔軟剤は最初に洗剤と一緒に入れると一緒にすすがれて流れて行ってしまう。それに加えて、うまく汚れが落ちなかったり、洗剤の邪魔をしてしまうことも。
柔軟剤は洋服の最後の仕上げコーティングみたいなもの。
洗濯機によって異なるので確認してみよう。
洗濯機の種類 | 柔軟剤の入れ方 | タイミング | 注意点 |
---|---|---|---|
全自動洗濯機(縦型) | 柔軟剤投入口に最初から入れる | 自動で最終すすぎ時に投入 | 投入口の詰まりに注意(定期洗浄を) |
ドラム式洗濯機 | 同じく投入口に入れてOK | 自動ですすぎのラストに投入 | 香り残りは少し控えめになりやすい傾向 |
二槽式洗濯機 | 手動で洗濯槽に入れる | すすぎの最終段階で直接投入し3~5分まわす | 洗剤と混ぜないこと(タイミング命) |
手洗い | 手ですすいだあと投入 | 最後のすすぎ水に入れて軽くもみ洗い | 軽く絞った後、柔軟剤液にくぐらせてもOK |
アロマビーズは一番最初に一番下に
洗濯用のアロマビーズは洗濯物を入れる前に、一番下に入れよう。
洗濯物の上に乗っかってしまうと、溶けにくくて香りのムラにつながる。
また、溶け切らなかったアロマビーズが洗濯物について汚れてしまうこともある!
ファブリーズやアロマスプレーは洗濯後に
ファブリーズやアロマスプレーを使う場合は、洗濯後干すときや干して乾いた後どちらでも使用ができるみたいです。
ファブリーズの”P&G”のQ&Aには濡れた状態でも乾いた状態でも同等に使用ができるとの記載がありました。
アロマスプレーは濡れたものに使うこともできますが、若干香りにくいので、干した後にスプレーして、少し乾いてからしまうのがおすすめです。
洋服を出すときにふわっといい香りがします!
また、色うつりやシミの可能性も考慮して、濃度は1%以下(10mlのスプレーなら精油2滴以内)が良さそうです。
また、布類にスプレーする際にはベルガモットやレモンなどの光毒性や、パチュリ、ジャーマンカモミールなどの色の濃い精油の色うつりも注意が必要です。
その他に臭いに対してできること
乾燥しやすい素材の服を選ぶ
ここまで、湿気を防ぎ、早く乾燥させることがにおい対策につながると説明してきました。
ということは、夏の洋服も乾きやすい素材に変えてしまえばいいという発想です。
乾きやすい生地の例を紹介👇
生地 | 乾きやすさ理由 |
---|---|
ポリエステル | 吸水性が低く、すぐ水を弾いて蒸発しやすい。肌さわりも◎ |
ナイロン | 水をほとんど吸わず、風通しで一気に乾く。でも熱に弱い。 |
レーヨン | 吸水性は高めだけど、薄い生地なら早く乾く。でも生地が弱い。 |
ポリウレタン(ストレッチ系) | 化学繊維ベースなので乾きやすいが、厚手は× |
リネン(麻) | 天然素材の中では素材自体の通気性が良い。汗も吸ってくれる。 |
逆に乾きにくい素材も紹介👇
生地 | 理由 |
---|---|
綿(コットン) | 水をよく吸うけど、放出が遅くて乾きにくい(特に厚手) |
ウール | 水を含むと重くなり、乾くのに時間がかかる+縮みやすい |
特に綿はさまざまな布類で頻繁に使われています。
洗濯前にどんな素材の洋服か確認してみるのもいいかもしれません。
コインランドリーの乾燥機を使用する
コインランドリーの乾燥。じつは結構おすすめです。
その理由は家庭用では出せない高熱+強風。
温度設定もできてフリースから布団まで幅広く使用できます。
熱に弱い素材の洋服には要注意。
綿(コットン)、麻(リネン)、絹、ウールなどの天然素材は縮む可能性があるので乾燥機にはかけられません。
まとめ:”洗濯環境のみなおし”と”速乾”がカギ

今回は洗濯物のにおい対策をまとめました。
洗濯しても取れないにおいに対して、ただ闇雲に洗濯を繰り返したり、良い香りを重ね掛けしてもごまかしきれません。
まずはにおいの元を取り除き、それぞれに合った香りの取り入れ方を実践することで、洗濯でのストレスを大きく取り除くことにつながるはずです。
皆様の日々の生活に、少しでも香りと癒しをお届けできればと思います。
他にも、お掃除に役立つ情報や、家でも外でも香りを楽しむ方法、
薬剤師の立場からの香りについての安全性についての記事もございます。
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