おシロマ~Oshiro's Aroma~
香りのある暮らし、はじめませんか? 薬剤師おシロのアロマ&ハーブBlog
アロマ入門

寝る前におすすめの精油5選|心地よく眠るための香り習慣とは?香りの特徴やおすすめの使い方も一緒に紹介!

  • 夜遅くまで活動していて、目がさえてしまっている。
  • 今日の出来事、明日のことを頭で考えてしまう。
  • 心のもやもや、ざわつき。

このような“寝る前の落ち着かない気持ち”に悩む人が、最近とても増えています。

薬剤師として日々の相談を受けるなかで、「寝つきが悪い」「気持ちが落ち着かない」といった声に触れることが多くなりました。

そこで今日は、寝る前に気持ちを切り替えたいときにぴったりな香り5選をご紹介します。
今回は「やさしい香り」「比較的扱いやすい精油」「夜の時間に向いているとされる香り」などを基準に選びました。
それぞれの香りの特徴や、初心者でも手軽に試せる使い方もあわせて紹介します。

なぜ寝る前にアロマが効果的なの?【薬剤師が説明】

寝つきが悪い主な原因として、ストレス、不安などの気持ちの乱れ、寝室環境の悪さ、カフェインやアルコールの摂取、不規則な生活習慣などがあげられます。

これらの原因によって体が気を張っている状態(交感神経優位)になってしまうので、寝つきが悪くなるとされています。
その改善のためには眠る前には落ち着いた状態(副交感神経優位)にすることで、心地よい眠りに役立つと考えられています。

眠る前にアロマを導入することで、緊張をほぐすきっかけや、ゆったりとした時間をつくる手助けをすることができます。
香りを通して自分の気持ちに寄り添う時間を作り、眠る前のタイミングのスイッチとして活用することで眠りを誘います。

自分の体に「もう眠る時間だよ。気を張らなくても大丈夫だよ。」と言い聞かせるきっかけとして、心地の良い香りを漂わせるといった具合です。

寝る前には心地の良い香りを使って寝る前の体にシフトさせよう!

寝る前におすすめの精油5選|心地よく眠るために

1.真正ラベンダー🪻【癒しの王道】

香りの特徴:
フローラルな甘さにハーブのアクセントを添えた、王道のリラックス系の香り。
やさしく包み込まれるような心地よさで、自然と気持ちがゆるやかに整います。

こんな人におすすめ:
夜遅くまで活動していた人や、頭が冴えてなかなか眠れないときに。
気持ちをゆったりと整えたい夜にそっと寄り添ってくれます。

ラベンダーのハーブティを使った「ラベンダーホットミルクティー」はとってもおいしくて心も体もぽかぽかにしてくれます☕


↓ラベンダーについてもっと知りたい方はこちら↓
▶ラベンダーの基礎知識

2.スイートオレンジ🍊【気持ちを晴らす優しい甘さ】

香りの特徴:
みずみずしくてほんのりすっぱい、甘くやさしい香り。
ほっと心が緩むようなぬくもりが、気持ちをゆったりと包み込んでくれます。

こんな人におすすめ:
一日の疲れや緊張をなかなか手放せない夜に。
優しい甘さに包まれながら、心も体もリセット。

癖がなく、香りが苦手な人でも比較的使いやすい🍊

↓スイートオレンジについて知りたい方はこちら↓
▶スイートオレンジの基礎知識

3.サンダルウッド🌳【ほんのり甘くて深い木の香り】

香りの特徴:
深みのあるウッディーな香りに、ほんのり甘さを感じる落ち着いた香り。
静かに呼吸を整えるような、どこか神聖な雰囲気のある静寂を誘う香りです。

こんな人におすすめ:
考えごとが止まらず、心がザワザワしてしまう夜に。
ゆったりと深い呼吸を促し、穏やかな眠りへとつなげたいときにぴったりです。

ほんとは一番おすすめ。だけどちょっとお高め。コスパは◎。香りを確認したうえで購入してね!

↓サンダルウッドの香り成分について知りたい方はこちら↓
▶サンダルウッドの基礎知識

4.ローマンカモミール🌼【穏やかで優しいお花の香り】

香りの特徴:
りんごのような、でもどこか自然の緑を感じる、そんな穏やかでやさしく甘い香り。
ほっと心がほどけるような、自然が優しく包み込んでくれるような温かみを感じられます。

こんな人におすすめ:
緊張や不安で気持ちが休まらない夜に。
やわらかな甘い香りに包まれながら、自然な眠りへと身をゆだねたいときにおすすめです。

妊娠中、授乳中の方は避けるようにしてください。また、ローマンカモミールとジャーマンカモミールで香りが少し異なるので注意してください。

↓カモミールの違いについて知りたい方はこちら↓
▶カモミールの基礎知識

5.ベルガモット(ベルガプテンフリー)🍋【ちょっとビターなシトラスの香り】

香りの特徴:
柑橘の爽やかさに、ほんのりビターな深みを感じる大人の落ち着きを感じる香り。
軽やかさと落ち着きをあわせ持ち、心にそっと明かりを灯すような香りです。

こんな人におすすめ:
不安やモヤモヤが頭から離れない夜に。
さっぱりとした香りに癒されながら、心のバランスを整えたいときにおすすめです。

ベルガモットは通常、光毒性成分(ベルガプテン)を含みます。肌に使用する場合も考慮してベルガプテンフリータイプを選ぶと選択肢が増えます。

光毒性については下の項で説明しております。


寝る前アロマの使い方|ディフューザー・ティッシュ・ストーンで手軽に

寝る前にアロマを取り入れるなら、香りの選び方だけでなく、香らせ方にも少し工夫を加えるのがおすすめです。
香りを使うタイミングや、眠りに入りたいときに合わせて、ぴったりの方法を選んでみましょう。

ここでは、初心者でも簡単に取り入れやすい使い方を中心に、さらに番外編として、お風呂や足湯で楽しむ方法もご紹介します。

1.ディフューザー|一瞬で部屋の中を別空間に!

アロマの定番アイテムといえば、ディフューザー。
部屋全体にふんわり香りを広げることで、まるで別空間にいるような心地よさを作り出してくれます。

ディフューザーには大きく分けて2種類あります。

  • 水ありタイプ(超音波式)
    → 水に精油を垂らしてミスト状に拡散します。(100mlに対して3~5滴がおすすめ!)お手頃価格で始めやすく、乾燥しがちな寝室には加湿効果もプラスに。初心者にもぴったりです。

水ありタイプは手ごろな価格が魅力!でも定期的に水垢の掃除が必要なのはBAD↷

 

  • 水なしタイプ(ネブライザー式)
    → 精油をそのまま空気で拡散する本格派。香りが濃厚に広がるので、香りをしっかり楽しみたい人や、慣れてきた方におすすめです。

水なしタイプは香りをダイレクトに感じられる!その分オイルの消費が激しいのでコスパは△

どちらを選んでも、寝る前にディフューザーを使えば、「そろそろ眠る時間だよ」と自分に優しくスイッチを入れることができます。

2.ティッシュ|一番お手軽、お掃除不要!

アロマを試してみたいけど、道具を買うのはちょっとハードルが高い……
そんな初心者さんにぴったりなのが、ティッシュを使った香りの楽しみ方です。

使い方はとても簡単。ティッシュに精油を1〜2滴垂らして、枕元やデスクに置くだけ。
特別な準備も道具もいらず、思い立ったそのときからすぐ始められます。

香りはふわっと広がりますが、時間とともにすぐに薄れていくので、
「今、香りを感じたい」というときにぴったり。
香りが強すぎると感じたら、ティッシュを遠ざけるだけで簡単に調整できます。

使い終わったらゴミ箱に捨てるだけなので掃除も不要!
寝る前のちょっとしたリラックスタイムに、すぐ取り入れられる手軽さが魅力です。

3.アロマストーン|ほんのり長時間香りが残ってコスパ◎

「強い香りは苦手だけど、やさしく香らせたい」という方におすすめなのが、アロマストーン。
火や電気を使わず、自然な香り立ちをじんわりと楽しめるアイテムです。

使い方はとてもシンプル。アロマストーンに精油を数滴垂らすだけ。
ティッシュよりも香りが穏やかに長時間続くので、
寝室やデスクサイドにそっと置いて、空間ごとリラックスしたいときにぴったりです。

デザイン性のあるものも多く、インテリアとしても楽しめるのが嬉しいポイント。
火も電気も使わないので、寝る前のやさしい香りづけに安心して取り入れられます。

【番外編】アロマバス&足湯|眠る前に体も心もぽかぽかに

体も心もやさしくほぐしてから眠りたいときにおすすめなのが、アロマバスや足湯。
温かいお湯と香りの力を合わせて、リラックスしながら1日の疲れをそっと手放すことができます。

【アロマバス】
湯船に天然塩(バスソルト)と精油を加えて、香りを楽しみます。
まず小皿などにバスソルト(大さじ2〜3杯)を取り、そこに精油を2〜5滴垂らしてよく混ぜ合わせます。
しっかりなじませたあとに、湯船に溶かしましょう。

※精油だけを直接お湯に垂らすと、肌への刺激になることがあるため、必ずバスソルトや植物油、エタノールに混ぜてから使うようにしましょう。

やさしい香りに包まれながら、体を芯から温めることができます。

精油の量は、実際に使いながら香りの強さやご自身の好みで調節してください。

【足湯】
バスタブが使えないときや、手軽に体を温めたいときには足湯がおすすめ。
洗面器にお湯を張り、精油を1〜2滴垂らしてよく混ぜ、くるぶしあたりまでしっかり温めます。

短時間でも足元から全身がぽかぽかしてきて、自然とリラックスモードに切り替わっていきます。

お風呂や足湯は、「体を温める」だけでなく、「香りを楽しむ」ことで、
心にもやさしいスイッチを入れてくれるナイトルーティンになります。

寝る前にアロマを使うときの注意点|妊娠中や子ども、ペットがいる方は特に注意!

香りの力でリラックスできるアロマですが、使い方を間違えると、かえって体調を崩してしまうこともあります。
寝る前のアロマタイムを安全に楽しむために、次のポイントに注意しましょう。

・精油を原液のまま直接肌につけない

精油は非常に濃度が高いため、原液を直接肌につけると刺激やかぶれを引き起こすことがあります。
必ずディフューザーやティッシュ、ストーンなどで香りを拡散させるか、肌に触れる場合は薄めて(希釈して)使用してください。

・原液を大量に使わない

「たくさん使ったほうが効果がある」というものではありません。
香りが強すぎると、かえって眠りを妨げたり、気分が悪くなることもあります。
精油の量は少量から始め、自分に合った香りの強さを見つけましょう。

・妊娠中や授乳中は使用を控えた方が無難

今回ご紹介したカモミールなど妊娠中や授乳中に避けるべき精油もあります。体調を考慮し、芳香浴以外を楽しむ場合には十分に注意しましょう。

・小さなお子様・ペットがいる場合は使用精油に注意

3歳未満のお子様には芳香浴以外を行わないようにしましょう。また、3歳以上のお子様も1/10~1/2程度の量に減らすのが無難です。

また、ペットがいる方も注意が必要です。犬や猫は肝臓で精油を分解する機能が弱く、体に蓄積して中毒を起こしてしまう可能性があります。芳香浴でも、換気をできない部屋で使うのは危険があります。その他ペットも同じ部屋で精油を使うのはやめた方が無難です。

・火の取り扱いに注意(キャンドルタイプの場合)

アロマキャンドルなど火を使う場合は、必ず使用中は目を離さず、
就寝前には完全に火を消してから眠りましょう。

・体調が悪いときや違和感を感じたら中止する

香りがきついと感じたり、気分が悪くなった場合は、すぐに使用をやめて休んでください。
アロマはあくまで無理せず楽しむもの。自分の体調を最優先にしましょう。

↓精油を安全に楽しむために↓
日本アロマ環境協会(AEAJ)公式サイト|安全に楽しむために

香りの力を借りて、心地よい眠りを習慣にしよう

香りは、あるときは浄化のために、またあるときは神への捧げものとして、さまざまな場面で人々の心に寄り添い続けてきました。
そして、気持ちを整えるためにも、古くから香りは活用され続けています。

今日ご紹介した香りは、自分の気持ちと向き合う時間をつくる手助けをしてくれます。
この記事をヒントに、あなた自身のためだけの、やさしい夜の習慣を見つけてもらえたらうれしいです。

もし香りの歴史や、人と植物とのつながりに興味がある方は、
こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね。
▶アロマ、ハーブにまつわる逸話集

アロマを始めようか悩んでいる方、始めたばかりの初心者さんに向けた記事もございます。
これから始めてみようと思う方はぜひチェックしてみてください!
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ABOUT ME
おシロ
シロクマと香りと料理が大好きな薬剤師。 香りに興味がある方、アロマを始めてみたい方が次にどうすればいいか分かるブログを目指して、日々精進しています。 ・認定薬剤師・薬膳コーディネーター