スイートオレンジとは

原料植物名 | スイートオレンジ |
---|---|
別名 | アマダイダイ |
科名 | ミカン科 |
学名 | Citrus sinensis |
主な産地 | アメリカ、イタリア、コスタリカ、ブラジル |
主な抽出部位 | 果皮 |
精油抽出法 | 圧搾法 |
ノート | トップノート |
別名アマダイダイというミカン科の果実です。圧搾法と言って、皮をギューッと搾ってオイルを作ります。オレンジにも様々な種類があり、ネーブルオレンジやブラッドオレンジなどは聞いたことがあるのではないでしょうか。
昔は魔除けに使っていた?
昔、ヨーロッパでペストという病気が流行ったときには、良い香りを纏うことで悪いものから身を守ろうとしたそうです。それで魔除けである「オレンジ・ポマンダー」というものをこのスイートオレンジで作ったりしていました。
(余談ですが、このオレンジ・ポマンダーはオレンジにクローブやシナモンなどを刺して作ります。見た目が思った以上にキモイです💦)
スイートオレンジの香りの成分
リモネン

名前的に柑橘系っぽい成分です。柑橘系の皮にたくさん入っており、スイートオレンジには約95%含まれています。環状モノテルペンという構造で、揮発性が高いです。この成分が柑橘系のフレッシュでみずみずしい香りを作っています。
ミルセン

ミルセンは環状ではないモノテルペンです。スイートオレンジには1~2%含まれています。グレープフルーツやホップの土のようなほろ苦い香りはミルセンの香りです。
リナロール

モノテルペンアルコールという分類です。C(炭素)が10個の鎖状炭素の骨格に‐OHがくっついています。リナロールはフローラルな香りの成分です。スイートオレンジに含まれているのはわずか1%未満です。
オクタナ-ル

-CHOを持っているのでアルデヒドに分類されます。オクタナールは少量ではジューシーな果実の香りがします。量が多くなるとパクチーやカメムシのような香りになります。また、濃度が高いと肌の刺激があるので注意。オクタナールもスイートオレンジに含まれているのは1%未満です。
スイートオレンジの香り成分まとめ

- リモネン
- ミルセン
- リナロール
- オクタナール
が多く含まれています。一番多く含まれているのがリモネンなので、柑橘系のフレッシュでみずみずしい香りが目立ちます。
※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。
計算ミスの軽減⁉学習能力の向上や認知機能改善に使用されることも!
リモネンが多く含まれているスイートオレンジは、交感神経を刺激することで血流促進する作用があることは前の項で説明いたしました。記憶力に関する作用というのは、血流が促進することが要因のようです。以下のような論文も発表されていました。
「計算」という知的な作業は脳の前頭葉を使い、その部分の働きが高まっているほど前頭葉の血流が増加します。(中略)今回の調査の結果、オレンジ・スイート精油の香りによって前頭前野の血流が増加し、その働きが高められることが示されました。
引用:オレンジ・スイート精油が子どもの計算ミス軽減に寄与~香りが学習時の気分に好影響を与え、集中力を高める重要な要素に~公益社団法人 日本アロマ環境協会
また、子供の学習だけでなく、介護施設などでも最近アロマを取り入れているところが増えています。
他の柑橘系に比べて使いやすい!

じつはほかの柑橘系には光毒性(肌のシミや炎症を起こしやすい)や皮膚刺激があります。それは、柑橘系はフロクマリン類であるベルガプテンを含むことが多いからです。しかし、スイートオレンジにはそのベルガプテンが含まれていないので、皮膚刺激が少なく、シミや炎症になりにくいです。
こういった特徴も子供やお年寄りにも使いやすいといわれている要因の一つと言えます。
参考文献
アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
オレンジ・スイート精油が子どもの計算ミス軽減に寄与~香りが学習時の気分に好影響を与え、集中力を高める重要な要素に~公益社団法人 日本アロマ環境協会
スイートオレンジ(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)
リモネンの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)