カモミールとは

アロマテラピー検定ではジャーマンカモミールとローマンカモミールどちらも出てきます。特徴を間違えないようにしましょう。
- ジャーマンカモミール
原料植物名 | ジャーマンカモミール |
---|---|
別名 | カミツレ |
科名 | キク科 |
学名 | Matricaria chamomilla(Matricaria recutita) |
主な産地 | イギリス、エジプト、ドイツ、ハンガリー |
主な抽出部位 | 花 |
精油抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドルノート |
- ローマンカモミール
原料植物名 | ローマンカモミール |
---|---|
別名 | ローマカミツレ |
科名 | キク科 |
学名 | Chamaemelum nobile(Anthemis nobilis) |
主な産地 | イギリス、イタリア、ハンガリー、フランス |
主な抽出部位 | 花 |
精油抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドルノート |
カモミールという名前は古代ギリシャ人が「カマイメロン(大地のリンゴ)」と呼んでいたことからきています。青リンゴのような甘くてさっぱりした香りが特徴です。
カモミールはジャーマンカモミールとローマンカモミールに大きく分けられます。ジャーマンカモミールの精油はハーブや薬草のような香り(ハーバル系)が強いです。ローマンカモミールの精油はリンゴのように甘くてフローラルなイメージが強い香りが特徴です。
ジャーマンカモミールとローマンカモミールはそれぞれ香りの成分が異なります。事項では成分について説明します。
カモミールの香り成分
ジャーマンカモミール

ビサボロールオキシドA

環状構造にエーテル結合があるオキサイド類です。ほんのりと甘い香りがします。
ファルネセン

フローラルな香りに加えて強いハーブや薬草のような香りがします。様々な植物がこの成分を有しています。
カマズレン

濃い青色を有している成分です。カマズレンが入っているので、ジャーマンカモミールの精油は濃い青色になります。
ローマンカモミール

アンゲリカ酸イソブチル

などのアンゲリカ酸エステル類やブチル酸エステル類が何種類も入っています。
エステル類は甘くてフルーティーな香りがあります。アンゲリカ酸エステル類やブチル酸エステル類は青りんごのような甘酸っぱくさっぱりした香りです。ローマンカモミールにはエステル類がたくさん入っています。
α-ピネン

様々な樹木に含まれている樹の香りの成分。ローマンカモミールに少量含まれているので、樹の香りがするというよりは香りに奥深さや深みを与えているようなイメージです。
カモミールの種類

ジャーマンカモミール
- ビサボロールオキシドA
- ファルネセン
- カマズレン
甘くフローラルな香りに加えて、ファルネセンの薬草のような香りが目立ちます。
ローマンカモミール
- アンゲリカ酸エステル類やブチル酸エステル類
- α-ピネン
ローマンカモミールは青りんごのような甘酸っぱくさっぱりした香りであるアンゲリカ酸エステル類やブチル酸エステル類がたくさん入っています。
※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。
精油の色にも違いがある⁉

ジャーマンカモミールの精油に含まれるカマズレンは濃い青色をしています。このカマズレンは自然には存在せず、蒸留して精油を抽出する過程で生成されます。このカマズレンはアズレンの誘導体で、抗ヒスタミン、抗搔痒などの効果があります。アズレンは市販のうがい薬や塗り薬にも使われている成分です。
ローマンカモミールにカマズレンは入っていないので、少し黄色がかった透明の精油です。
お肌や髪についての研究も!

ローマンカモミールについては様々な論文がありました。女性ホルモンへの影響は少なく、尚且つ肌や髪を綺麗にすることが期待できるということで、閉経移行期の女性への効果を研究した論文もありました。
閉経移行期における軽度の不定愁訴を有する女性が精油を纏うことによるアロマテラピーを継続することで,心理状態や肌・髪の実感に関するいくつかの尺度が改善することが示唆された。中でもカモミール・ローマン精油の介入は肌や髪の実感を向上させる傾向(後略)。
参考文献
- アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
- 継続的に精油の香りを纏うライフスタイルが閉経移行期の女性に与える影響 熊谷千津,対馬ルリ子,早田輝子,齋藤 碧,尾崎勇毅,川口光倫
- カモミール・ローマン(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)
- カモミール・ジャーマン(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)