イランイランとは

原料植物名 | イランイラン |
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別名 | イランイランノキ |
科名 | バンレイシ科 |
学名 | Cananga odorata |
主な産地 | コモロ、マダガスカル、レユニオン島(フランス領) |
主な抽出部位 | 花 |
精油抽出法 | 水蒸気蒸留法 |
ノート | ミドルノート~ベースノート |
フィリピン語で「花の中の花」という意味です。木にぶら下がるように咲きます。この木はとても高く、10mから大きいもので20mになるものもあります。甘いフローラルな香りで、南国チックなイメージです。
精油の抽出タイミングでグレードが変わる
精油は水蒸気蒸留法で抽出されます。抽出時にどのタイミングで抽出したかによってエクストラ・ファースト・セカンド・サードの4つグレードが分けられています。すべて成分の配合が異なっており、値段も大きく変わります。
また、すべてのグレードをミックスしたのがコンプリートです。グレードの説明がない場合は大体コンプリートです。今回はこのコンプリートのグレードの成分を見てみます。
イランイランの香り成分
β-カリオフィレン

二環性のセスキテルペンに分類されます。セスキテルペンは粘性があり、揮発性も低いので、ミドルノート~ベースノートに使われます。香りはヒマラヤ杉を想像させるウッディ調の香りです。
酢酸ベンジル

エステルに分類されます。ジャスミンに多く入っているためジャスミンを連想する香りです。
ゲラニオール

モノテルペンアルコールに分類されます。C(炭素)が10個の鎖状炭素の骨格に‐OHがくっついています。バラの香りのする成分で、ゼラニウムやパルマローザにも多く含まれています。
リナロール

リナロールもモノテルペンアルコールという分類です。フローラルな香りとして様々な精油に含まれています。
※ほかにも様々な種類の成分が含まれますが、代表的なものだけ抜粋しています。
血管にもいい影響がある!?

イランイランの香りは女性にうれしい効果だけでなく、血管の保護作用なども見つかりました。それについてはこのような研究がされているのを見つけたので紹介させていただきます。
イランイラン精油を吸入することで、副交感神経が優位となり、収縮期血圧の低下をもたらし、脈波伝搬速度の顕著な低下につながったのではないかと考えられます。
この結果から、イランイラン精油の芳香浴が、動脈機能を改善する可能性が示唆されました。
この研究では成分を吸入することで気持ちが落ち着き、血圧なども変動すること、それにより血管の負担を減らすといった考え方のようです。
イランイランは女性におすすめの香り

この研究には 15 人の閉経後女性が参加し、10 種類のエッセンシャルオイルの効果を調査しました。エッセンシャルオイルには、ローズオットー、スイートオレンジ、ラベンダー、ネロリ、フランキンセンス、ジャスミンアブソリュート、イランイラン、ローマンカモミール、クラリセージ、インドサンダルウッドが含まれます。(中略)特定のエッセンシャルオイルの香りは、閉経後女性のオキシトシン分泌の増加を引き起こす可能性があります
媚薬として使用されるのは、高揚感を増加させるエンドルフィンやオキシトシンという幸せホルモンを分泌増加することで、官能的な気分が高まるということでした。インドネシアでは新婚初夜のベッドに敷き詰めるといった風習もあるようです。
気持ちが落ち着き、女性の魅力アップ!男性ウケもいい香りなので女性にうれしい香りではないでしょうか。
イランイランの精油を使う上で注意すること

イランイランは皮膚刺激があるため、原液のまま使用すると炎症を起こすことがあります。肌に使用する場合は1%ほどまで希釈(薄めて)使用するようにしましょう。
また、女性ホルモンを調節するため、妊娠初期などの使用は避けた方が良いかもしれません。
イランイランの成分まとめ
- β-カリオフィレン
- 酢酸ベンジル
- ゲラニオール
- リナロール
などの成分で構成されています。フローラルでジャスミンにも似た南国チックでオリエンタルな雰囲気の香りです。幸せホルモンであるオキシトシンの分泌など、女性にうれしい成分がたくさん入っています。
参考文献
- アロマテラピー検定公式テキスト1級・2級 2020年6月改訂版(公益社団法人 日本アロマ環境協会)
- Tarumi W, Shinohara K. The Effects of Essential Oil on Salivary Oxytocin Concentration in Postmenopausal Women. J Altern Complement Med. 2020 Mar;26(3):226-230. doi: 10.1089/acm.2019.0361. Epub 2020 Feb 3. PMID: 32013535.
- 研究ノート「一過性の精油環境が動脈スティフネスおよび血管内皮機能に及ぼす影響.三浦哉、杉野恵、越智玲衣.アロマテラピー学雑誌、Vol.15, No.1, 122-126, 2015」
- β-カリオフィレンの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
- リナロールの基本情報・配合目的・安全性(化粧品成分オンライン)
- イランイラン(THREE HOLISTIC RESEAECH CENTER)