毎日のお料理で油がはねてしまった。お子様の手に熱湯がかかっちゃった。
火傷についての相談は意外と多く来ます。
今回は病院に行けばいいのはわかっているけど、そこまでひどくない、病院がおやすみだから応急処置がしたいといった方々に向けたステロイドの入っていないお薬の紹介です。やけどの症状についての解説は割愛します。
火傷におすすめの塗り薬
化膿しそうなやけどにはドルマイシン軟膏
有効成分はコリスチン硫酸塩とバシトラシンという2種類の抗生物質(細菌をやっつける薬)です。2種類別々の範囲の菌に効果があるので、幅広く対応することができ、感染症の治療や予防に効果があります。また、ワセリンが添加物として入っているので、保湿効果も期待できます。
化膿しそうなやけどにはドルマイシンがおすすめです。
軽めの火傷にはオロナインH軟膏
有効成分はクロルヘキシジングルコン酸塩です。殺菌作用がある軟膏が患部をしっかりと保護してくれます。
軽いやけどにはオロナインH軟膏がよいでしょう。
ひりひり痛む、乾燥する時にはパンバス軟膏
有効成分は酸化亜鉛、フェノール、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、ヨークレシチンです。
酸化亜鉛は炎症を抑えて炎症部分を保護します。
フェノール、イソプロピルメチルフェノールは殺菌作用があり、傷を菌から守って化膿を防ぎます。
サリチル酸は角質を柔らかくして、皮膚の治りを早めます。
ヨークレシチンは血行を良くして治りを早めます。
ひりひり痛む、乾燥してかさつく場合はこちらをおすすめします。
低刺激で漢方由来の紫雲膏
シコン、トウキ、ゴマ油、ミツロウ、豚脂の成分を含んだ漢方製剤です。
肌の刺激が少なく、化膿止め、抗炎症作用、殺菌作用、抗酸化作用が期待でき、傷の治りを早める効果もあります。
漢方由来の成分を使用したい方は紫雲膏がおすすめです。
やけど痕を残しにくくするヒルマイルド
成分はヘパリン類似物質です。人の体内で生成されるヘパリンに似た成分で保湿によく使用されますが、血行促進も持っています。
使用することでやけど痕が残りにくくなるとされています。
ヘパリン類似物質がやけど痕に適している理由
やけどをすると、私たちの体の中では「線維芽細胞」が傷を治そうとコラーゲンを生成します。しかし、痕になるような深さのやけどの場合、炎症がひどく過剰にコラーゲンが生成されてしまい、やけど痕の原因になってしまいます。
ヘパリン類似物質には、この線維芽細胞の働きを抑制する作用があることが、やけど痕のケアに適しているといわれる理由です。
健栄製薬【医師監修】ヘパリン類似物質はやけど痕に効果がある?適切な対処法も解説 https://www.kenei-pharm.com/healmild/column/dry_skin/column126/より引用
まとめ
今回は症状別に5つほどおすすめの塗り薬をご紹介いたしました。ほかにも様々なやけどに効くお薬がありますので、ぜひ店舗の薬剤師に確認してみてください。
また、あくまでOTCで対応できるのは軽めの火傷です。
乳幼児や高齢者の方の火傷、水ぶくれができてしまっている火傷、広範囲の火傷や深部へ達してしまっている火傷はすぐに医療機関に連絡をしてください。
※お薬の説明は法律や研究によって内容が変わることがあります。正しい最新の情報をしっかりと確認してください。